診療一口メモ

健康長寿のために

健康に対する志向の高まりとともに食に対する関心も高いと思います。そんな中で、一時期は「メタボ」という言葉が盛んにメディアに登場しダイエットに関する情報も巷に溢れていました。しかし昨今、特に高齢者の間では「サルコペニア」「ロコモティブシンドローム」や「フレイル」という言葉で代表されるように筋肉量の減少に伴う様々な問題が注目されています。最近の研究では健康寿命にはフレイルが大きく関与し、むしろメタボリックシンドロームの影響は少ないことが明らかになっています。つまり、低体重は身体の筋肉量の減少を表しており、動くとしんどいといった疲労感であったり、転びやすい、怪我をしやすいといった身体の脆弱性につながってしまうということです。

怪我をせず健康に過ごすためには、タンパク質とビタミンDを積極的にとり、適正な身体を作らなければなりません。タンパク質は卵や牛乳など日常的に取りやすいもので構いませんが、毎食2種類のタンパク質食品を取るように心がけましょう。高齢者の方は若い人達に比べてより多くのタンパク質をとることが必要です。ビタミンⅮは鮭や鰯などの魚類やキノコに多く含まれます。そして晴れた日なら10~15分、曇りならば30分程度屋外で過ごすことが勧められます。

健康な身体づくりには、食事と同じように運動することも非常に大切です。ニコニコペースでの散歩のような有酸素運動も良いのですが、レジスタンス運動と呼ばれる少し筋肉に負担をかけるような運動も筋肉量を増やすには効果があると言われています。力が入るときに呼吸を止めないで、深い呼吸をゆっくりとしながら行いましょう。

健康寿命の延伸のためには、よく食べ、よく動き、そして社会活動に参加することも重要と言われます。地域社会や趣味の分野で様々な人々と繋がりながら、いよいよ楽しい日々を過ごしていきましょう。

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岡山市医師会“診療一口メモ”係