診療一口メモ

外傷の初期治療

日常生活では外傷を起こす機会が多くあります。どんな方法を使っても傷跡は残りますが、より目立たないようにする方法を考えてみましょう。

  1. 傷がなくてもまず冷却する。
    打撲などで起こる、表面に創部はないが皮下出血や皮下血腫を伴う傷に対しては、傷を負った部位を上げて、適度な冷却および圧迫が基本です。これにより血腫増加を防ぐとともに皮下組織の炎症などによるダメージが拡散することを予防できます。
  2. 傷についた汚れは早めにおとす。
    転倒などで起こる、砂や砂利などの細かい異物がついた傷に対しては、シャワーなどで洗浄することで感染と上皮化後の色素沈着を予防できます。
  3. 適切な材料で創傷を覆う。
    創傷に感染のない場合は創面の湿潤環境を保つことが有効です。表皮細胞は乾燥していると生存できないため、生理的な湿潤に近い環境を作ることで表皮形成が速くなります。また創傷の滲出液に含まれるサイトカインは治癒を促進させる働きがあります。従って湿潤環境を保つ材料で創傷を覆うのが効果的です。
    しかし真皮のダメージが強い傷などでは滲出液が極めて多く過度の湿潤状態となり頻繁な創傷を覆う材料の交換を要しかえって感染のリスクが高まります。また創傷に感染のある場合は湿潤環境では感染を悪化させることがあります。このため消毒やガーゼなどを用いた従来からの乾燥環境を利用した治療法が有効なこともあります。

創傷の状態に沿って適切な治療を行えば傷跡は目立ちにくくなります。詳しくは近隣の医療機関に御相談ください。

今後の希望テーマははがきでご連絡ください。

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岡山市医師会“診療一口メモ”係